ウエルエイジング
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(東京女子医大東医療センター内科教授 大塚 邦明先生のお話から)
1)ウエルエイジングとは
住み慣れた土地で健やかに老いることを目的に身体の状態やライフスタイルを見ていく新しい人間ドックのこと
2)筋年齢、生活年齢、骨年齢を知る
【筋年齢】
年齢と共に使わなくなってくるので、筋肉の量とか質が落ちてくる。年齢相当であるかどうかをチェックして、もし落ちているようであれば、 リハビリテーションを行う。
- 腕(上腕三頭筋)の厚さ
- 肩胛骨の下あたりの皮下脂肪の厚さ
- 上腕の周囲経
- 握力
【生活年齢】
生活機能をするのに充分な能力を持っているか
身体のバランス、背骨の柔らかさ、しなやかさを見る。
→立ったまま、かかとを上げずに背中をどのくらい前まで曲げることが出来るか
アップアンドゴー→いすに座った状態で立ち上がり、3m先までいってUターンして戻ってくる。
【骨年齢】
骨粗鬆症→骨質30%・骨密度70%
食生活→ビタミンD・K・カルシウムを多く含む食物を摂る
運動を良くして骨を丈夫にする。
3)血管年齢・脳年齢を知る
【血管年齢】
年齢と共に上の血圧が高くなる。60才を過ぎると下の血圧が低くなる。上と下の血圧の差が50~65を過ぎると動脈硬化が有ると言われる。
「下の血圧が何故年齢と共に下がってくるか?」
血液を身体の各所に送るポンプが二つ→(1)心臓→1秒に1回では次に送られるまでに時間がかかり、末梢まで行かない。そこで先ず、 (2)血管に貯めて、血管が次の心臓の脈が来るまで送り続ける。→年齢と共に血管のしなやかさが落ちてくると、下の血圧が低くなる。
【脳年齢】
MRI→脳の中の状態を実際に見ることが出来る。脳梗塞を知ることが出来る。
MRA→脳の血管を隅々まで見ることが出来る。→脳動脈瘤を知ることが出来る。
脳の働き→落ちたもの→認知障害→病的になると→認知症(65才以上の人に多い)
早期発見
(1)記憶に関係する海馬の委縮の度合のチェック。
(2)心理検査
早期発見によって食事を考えたり、血管をしなやかにする運動をしたり、筋肉が衰えないようなリハビリをしたりすることによって、認知症を予防することが出来る。
4)心の年齢を知る
年を取ると気分がめいる(抑鬱気分)チェック(1)殆ど毎日2週間続くか
何をしても面白くない(興味の低下)
チェック(2)殆ど毎日2週間続くか
(1)(2)のいずれか1つあれば 専門医に看てもらう 30% / 治療の必要 10%
抑鬱気分があると物忘れが進むとか脳卒中が起きやすい確率が2倍近くになる。
【抑鬱と不眠の関わり】
- 床に入って10分以内に眠りにつける人→45%
- 30分かかる人→50%
- 夜中に3度以上目が覚める(中途覚醒)→治療が必要
- 早朝覚醒(朝早く目が覚めて困る)→20%
- 朝起きた時に疲れが残っていますか?→YES:50% ※
- よく眠れましたか?→NO:20% ※
※5年以内に心筋梗塞や脳卒中になる割合が3倍になる
【対策】
睡眠環境を整える
- 厚手のカーテンをひき、外からの光や騒音を遮る。
- 暖か過ぎない様に適度の室温を保つ。
- 起きる時刻を一定にする。昼:適度の運動。
- ストレス発散。
- 抗不安剤、抗抑鬱剤、睡眠導入剤を躊躇せずに飲む。
5)ウエルエイジングドックと老化予防
【3つの調節系を知る】
- 自律神経
- 身体の健康を護り、休息の質を上げる
→副交感神経/交感神経
→加齢と共に活動の効率を上げる - 体内時計の検査
→60秒の予測をしてもらう
→(1)45秒しか経っていないのに60秒と答える人(2)75も経って初めて60秒と答える人{(1)が長生き(1.3倍ゆったり生きる)}
- 身体の健康を護り、休息の質を上げる
- ホルモン
数時間単位で身体の調節を行う。
性ホルモン→加齢と共に低下→ホルモンを補う事が大切 - 免疫年齢
- 悪玉と善玉を測る事が大切。
「自分は何処が弱いのかを知る。」
●生活習慣の見直し- 身体を動かす。
- 食生活を正す。
- アルコールを程々にする。
- 余暇活動をキチンとし、脳へ刺激を与える。
- 精神的ストレスを発散する。→アルツハイマー病を予防
- 悪玉と善玉を測る事が大切。